こんにちは。御影にあるパーソナルトレーニングスタジオFitness fieldの前田です。
股関節周りの筋肉の障害がスクワット に及ぼす影響というテーマで書いていきます。
はじめに
股関節の痛みは、人口の15%ほどに影響しており、また高齢者になるほどにその割合が高くなってきます。
また運動やレクリエーションで起こる障害のうち20%が股関節に関連づけられているというエビデンスがあります。
股関節で起こる障害や病態には、変形性股関節症、骨折、大腿寛骨臼インピンジメント、滑液包炎、および軟部組織の障害が含まれる。
これらの病状あるいは障害はしばしば疼痛として現れ、それに伴い様々な下肢運動障害(自重運動、スクワット、バランスなど)が起こる。
障害や病態とのよく知られた関連があるにもかかわらず、股関節障害には多数の病因があり、非活動やトレーニングパターンから生じた構造異常や適応変化の結果生じる可能性もある。
また症状がなく高い機能性を備えた人でもエクササイズ中の異常な運動特性として現れる場合もあり、これは将来の潜在的な危険因子である場合も存在する。
股関節の障害を取り除く努力が勧められるが、場合によっては完全に障害を解決することが現実的でない場合もあったりします。
まとめ
股関節周囲筋の機能を維持向上することはスクワット動作において重要である。
中臀筋の痛みはバランスの安定性を減らしていくことが示唆される。
股関節屈筋群の硬さは、大臀筋、大腿二頭筋の活性化を抑制する。
これらの問題が防御的な反応である場合、痛みのある時の深さは調整が必要になり、適切なフォームの構築が必要になってくる。
機能障害を取り除ける場合には取り除き、それが出来ない場合には、再度別の何かの介入を検討する必要が出てくる。
下記はこれの説明です
股関節周囲筋群の痛みの影響
中臀筋に生理食塩水を注射して痛みを誘発して実験を行なっています。(さすがアメリカの実験です。)
青くなってる筋肉が中臀筋
痛みを誘発している状態でシングルレッグスクワットを行い、足底の圧力センサーで力の配分やかかり具合を調べた結果、
注射前後で優位な減少が認められた。本質的に、被験者が注射後に股関節の姿勢の動きの制御がしにくくなり筋力の抑制をした。(自然と動きの制限をした)ということになっている。
この結果が示すところは、防御反応であることを示している。パフォーマンスの低下が示唆される。(当たり前と言えば当たり前の反応ですが)
股関節周囲筋群の硬さの影響
下肢の筋の硬さは股関節のパフォーマンスに影響すると考えられる。
股関節屈筋群の硬さと自重スクワット活動中の股関節伸筋群のパフォーマンスとの相関関係を調べた研究があります。
トーマステスト
ここからスタートするテストで
片足を抱えて下にある脚の前側(股関節屈筋群)の柔軟性の評価をするテスト(トーマステスト)テストしている脚は左足。
股関節屈筋群が硬い場合には、
膝が伸び、太腿が持ち上がる。
股関節屈筋群が硬い人の場合には、スクワット中の大臀筋(お尻の一番大きな筋肉)の活性化と大腿二頭筋(ハムストリングス)の同時活性化が低いという結果が出ました。
太腿前の硬さがお尻と太腿裏の筋肉の活性化を制限しているということになります。
これらのことからわかること
股関節周囲筋の痛みと硬さがあることによって、スクワットに対してパフォーマンスの低下が認められた。
- 痛みにより運動にマイナスの影響を与えると言うことになります。
- 痛みによりスクワット動作の質の低下が認められた。
- 股関節屈筋群の硬さにより大臀筋、大腿二頭筋の同時活性が低下。
これらのことを考慮すると、股関節屈筋群筋の柔軟性を適切に保ち、外転筋群の機能を良くする補助的なエクササイズを取り入れることがスクワットの動作の質の向上、また安全にスクワットを行えるようになるということが示唆されている。
スクワット2 矢状面 pic.twitter.com/JrrjHigD9J
— 前田 俊太 (@maeda_shunta) January 20, 2020
動きを良くするためには柔軟性と動き方の両方を知っておくことが必要になるってことですよね。トレーニングフォームって自由に動いているわけではないので、丁寧に1つづつやっていくことが必要になりますよ。