妊娠中のコアトレーニングエクササイズの選択

こんにちは。神戸市東灘区御影にあるパーソナルトレーニングスタジオFitness fieldの前田です。

妊娠中のコアトレーニングエクササイズの選択

妊婦さんの運動をサポートする機会ってあまりありませんが、文献を読む限り、医師の許可を得ていることが前提としてなら受け入れ可能だと思えるかな。って思えます。

妊娠に伴う生理学的変化

2002年にACOG(アメリカ産婦人科学会)のガイドラインでは、健康な女性に対しても、非活動的な女性に対しても、妊娠中および妊娠後の定期的な運動が勧められている。妊娠中に起こる体の変化はもはや制限とはみなされない。むしろ、この期間は健康的な生活習慣に従うことが推奨されている。

医師によって合併症のリスクが認められていない妊婦さんについては、妊娠中の運動に伴う悪影響はあるとしてもごく僅かであるという点で一致している。

妊娠とは母親と赤ん坊の健康状態の向上を目指して健康関連の行動を変えることに最も適した時期です。

妊娠は『監禁状態』と考えるべきでない
(英語をきっと翻訳した結果、こんな表現になっていると思われる)

ポジティブで健康的な変化を作り出せば、その習慣が将来の母子の健康に影響を及ぼし、母子の健康を形成する。

妊娠中の女性には様々な変化が起こる。最も顕著な変化の1つは体重の増加で、これは安静時にも運動中にも多くの変化を招く可能性がある。

体重増加は関節に負担をかけて不快な症状をもたらす。
妊娠中の女性は一般に腰椎が前湾して、重心が移動する。この重心の移動が下背部痛をもたらし、姿勢とバランスに直接的な影響がある。
この姿勢は安政時にも運動時にも影響があるので怪我のリスクを減らすためには不意の方向転換は行わない。(素早く捻る動作など)

妊娠中に女性の血液量は約40〜50%、1回拍出量は10%(1回の心臓の拍動で送り出される血液量)、心拍数は20%増加する。(これってものすごい変化です。)

これは母体の血液量を増加させるだけでなく胎盤を通じて胎児への血流量と繋がっていく。

リスク、予防手段、ガイドライン

妊娠中の運動は、必ず医師の許可を得ること。
その上で母体が健康であり合併症がなければ、運動中に胎児損傷が発生する可能性は低い。

しかしハイリスク妊娠の場合は運動を行うことにより、迷走神経反射、脊髄圧迫、胎児の頭部位置異常が生じて、胎児の心拍数増加、子宮内胎児発育遅延、胎児の徐脈などの合併症を招く可能性がある。

アメリカスポーツ医学会によると、出産と運動はどちらも人生の健康的側面であり、両者を結びつけることは健全な妊娠に役立つ。
医師による許可を得た妊婦さんに対して若干の制限事項がある。

一般的に挙げられるのが、仰臥位(仰向け)でのエクササイズは避けるべきである。

運動中は血液の再分配が行われる。そのために胎児への酸素、二酸化炭素、栄養素の輸送が懸念される。運動中の母体は酸素が欠乏し、体が酸素要求に追いつこうとする(息が上がるってことです。)胎児は自分の身を守るために頻脈と血圧増大を招く可能性がある。

仰臥位と立位は静脈還流を阻害するため、心拍出量の減少を招く可能性がある。

また最大努力が求められるような漸増負荷テストも避けるべきである。
(そもそもそんなことをする理由もわからないですけどね。)

妊娠中の運動がもたらす利点

ACOG(アメリカ産婦人科学会)のガイドラインから逸脱せずに心臓血管系のエクササイズには、胎児の心拍数の小さな変化は胎児リスクとは関連づけされておらず、むしろ運動中における胎児の覚醒状態の高まりと関連づけられている。妊娠中に運動を継続していた母親の赤ちゃんは興奮しにくく、機敏であり、自分で心を鎮めることができ、陣痛の負荷によりよく対応できることが示されている。(すごい研究結果ですよね)

最も多く報告されている利点は、陣痛の軽減、陣痛時間の短縮、出産後の回復促進である。また筋力向上エクササイズの利点として、骨密度の面での利点も報告されている。それは授乳によって誘発される骨密度の低下を相殺させる可能性があるということである。

運動に関する一般的なガイドライン

運動を行う前には必ず医師の許可を得ることが必要

有酸素運動、筋力トレーニングのどちらを実施してもよい。筋力トレーニングとストレッチに関しては、個々の妊婦さんに合わせてメニューを選択されるようにする。個人的なニーズを満たす安全な形で修正を行なっていけば、荷重エクササイズでも自重エクササイズでもどちらでも実施可能である。
(漸進性を考慮する)

ACOG(アメリカ産婦人科学会)の推奨水準によれば、最大心拍数の50〜80%の範囲で運動を行うことが可能である。(心拍計はスマートウォッチを利用するという方法も今では増えてきているように感じます。)

主観的運動強度は心拍計の代わりにどのように感じているのかをモニタリングするのに役に立つ。スコアとして12〜14の強度に上げて運動を行うことができる。
頻度として1週間ほぼ毎日約30分程度の運動が推奨されている。これは妊娠していない方にも当てはまる。

また妊娠中にはトレーニングの前、中、後に十分な水分摂取を促し、暑熱環境でのトレーニングは避ける必要がある。
なぜなら、母体の深部体温は運動の最初の」30分間で約1.5℃上昇する。胎児の深部体温は母親よりも1℃高い。母体の体温が1.5℃以上高くなると、先天性奇形を招く恐れがある。運動中の暑熱環境を避け、深部体温の上昇を避けることで、発汗によって熱を放散させることが可能になる。
涼しい環境で運動することによって熱の産生が熱の放散を超えることなく、安全な運動環境を作ることができる。

妊娠前に定期的な運動を行なっていなかった場合には、徐々に運動に慣れていくように時間の設定を行い、最終的に30分の運動を目指すようにしていく。

筋力トレーニングを行う際には、低負荷高回数を行う。12レップ以上を行い、呼吸を止めて行う筋力トレーニングは行うべきではない。
また胎児の成長に伴い母体の重心に変化が出てくる。そのためにバランスとコーディネーションに焦点を合わせたエクササイズの修正を加えていく必要が出てくる。

何か体に変化があればそれは医師の診断に委ねるようにしていくこと。

まとめ

フィットネスプログラムはリスクの少ない妊婦さんにとっても胎児にとても有益に作用することが期待できる。また産後の回復期においても多くの利益をもたらすことが期待できる。
体力の向上を妊娠中に目指すことはより安全な出産に利益をもたらされる可能性は高い。

何か体に変化があった場合には、医師の診断がまずは優先されることは忘れてはいけません。

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