こんにちは。御影にあるパーソナルトレーニングスタジオFitness fieldの前田です。
身体組成の改善 : 筋肉の増強と脂肪の減少を同時に行うことができるのか?
筋肉を増やす時期は体脂肪も増えるというのが基本的な考え方ですし、反対もしかりで、体脂肪を減らす時期は、できる限り筋肉を落とさないようにするのか。ということを考えて脂肪を減らすようにしています。(脂肪が減って、筋肉が増える。というのはとても難しいことだという認識を持っています。)
最新の研究でそれができる事例があるようでそれを書いていきます。
初めに
体作りをする人たちに共通する目標は骨格筋量を増やして、体脂肪を減らすことによる身体組成の改善をすすめていくことです。
このような身体組成の変化は多くの健康利益がある。
身体組成の改善は、運動を初めて間もない方、または過体重の人に起こっていきくと考えられていて、この考え方は妥当であるように思われている。
また多くの研究によって、筋力トレーニングの導入は筋量の増加率に直接影響を与えている。ということは証明されている。(当たり前のことを言っています。筋トレしたら筋肉増える。ってことです。)
基本的な考えとして、筋力トレーニングプログラムにおいて、トレーニング変数(強度、量、種目)を操作して筋肥大をするようにしている。さらに、体脂肪を減らすために有酸素運動も追加で行うように考えている。
ということで、筋力トレーニングと有酸素運動を同時に行うことは、身体組成の改善を促すことに繋がる。
ただ、
かなりトレーニング歴が長い人や、トレーニングをしっかりと積み重ねてきたアスリートにおいては、筋肉の増加と脂肪の減少を同時に達成できないという考え方は一般的に浸透している。(私もそう考えていました。)
それがちょっと違うんじゃないかというのが今回のテーマです。
同時に起こる(筋肉量アップ、体脂肪ダウン)条件
エネルギーバランスの調整が必要(一般的な考え方は以前書きました。こちら)
筋力トレーニングの成果を最大化したい場合には、タンパク質の摂取量の調整を行う必要があります。
筋力トレーニングをしっかりと取り組みながら、タンパク質量を増加させると(1日あたり体重1kgにつき2.0g超)、身体組成の改善効果が見られる。
高カロリー食、特にタンパク質によるカロリー量が多い食事を摂ると、かなり鍛えたアスリートでは、体脂肪の減少が認められた。
これはアスリートの場合で、ボディビルのような筋肉の形や大きさを競う競技においては、これが少し変わるということが興味深いです。
ボディビルの選手は、シーズンオフの時期に筋量の増加を最大限高めるために、高カロリー状態を維持して、体脂肪の増加を最小限に留めています。そして試合準備期(試合3ヶ月前くらい)に入ると食事制限を行い、体脂肪量を極限まで減らすために、カロリー摂取量を制限し、消費エネルギーを増大させる。この低エネルギー状態は、身体組成の変化をもたらす多くの変数(睡眠、ホルモン、代謝など)に負の影響を及ぼす。
このような状態のために、身体組成を改善させることが困難になっていると考えられている。
体脂肪は減るけど、筋肉は維持が精一杯ということです。
トレーニング方法による違い
トレーニングに熟練したアスリートを対象とした実験です。
2つのグループに分けます。
- 高強度筋力トレーニングをサーキット形式で行う。6RMを6種目休憩時間を35秒
- 一般的な筋力トレーニング6RMを6種目 *休憩時間は3分
種目は同じでこれをできなくなるまで3から6セット行った。という実験です。
サーキット形式で行ったグループのみが体脂肪率の有意な減少を示した。(-1.5%)
一方一般的な筋力トレーニングのグループはほとんど減らなかったという報告があります。
筋肉量の増加は一般的な筋力トレーニング群は1.5kg増加、サーキット群は1.2kgの増加を示した。
ちなみに6RMって6回が限界。っていうことなので、かなりハードなトレーニングになるので、一般向けではないので、オススメはできないです。サーキットとして耐えることができない可能性が高いです。
別の研究では、
トレーニング頻度がどんな影響を与えるのかを実験
一般人を対象とした6週間の実験です。
被験者は少量高頻度群(少しの量で多くの日数 週4回)と多量低頻度(多くの量で少ない日数 週2回)
両群共に筋肉量は増加している。(1.2kgと1.4kg増加)
しかし体脂肪が減少したのは、多量低頻度(−2.4kg)のみで、少量高頻度では-0.6kgにとどまった。
どこまでの少量かは書いていないので、どれくらいなのかはちょっと判断がつきにくい部分ではあります。
まとめ
ということで色々なパターンがあって、一般の方向けに考えていくと、
週2、3回くらいでそこそこしっかりと負荷をかけながらトレーニングを行うこと。そして、サーキットトレーニング(インターバルトレーニング)を導入することは体脂肪の減少に役に立つということ。
その上で食事にタンパク質をしっかりと摂取する。ここがとても重要な要素になっているので、体脂肪を減らして、身体組成を変えていく上では必須の要素になっている。
タンパク質を体重1kgあたり2.0以上の摂取することは筋肉を作っていく上では必要不可欠である。とこの文献には書いてあります。
実際に2g摂るのはなかなか厳しいのでサプリメントの活用はどうしても必要になると考えることができますね。